実はこれ、夢のせいでジャーキングが起こるのではなく、ジャーキングが先で夢が後とされているそうだ。
例えば、草原で盆踊りをしているときに、目の前をペンギンが横切ったので追いかけていたら、崖から落ちそうになり、ビクッとして目を覚ましたとする。この場合、ビクッとした瞬間に「草原で盆踊りをしているときに、目の前をペンギンが横切ったので追いかけていたら、崖から落ちそうになった」という、そこに至る経緯としての夢を生み出しているそうだ。
これがもっと長い夢の場合もある。ビクッとなるまでに、複雑な長いストーリーがあったとしても、それはビクッとなった瞬間、一瞬で作り出されたストーリーらしい。
瞬間的に過去の記憶のようなものが生まれるという意味では、デジャヴにも似ている。時間感覚という意味では、ほんの数分の仮眠で壮大な夢を見てしまう現象とも繋がりそうだ。
このように、夢の中の時間感覚は無茶苦茶で、その長さはもちろん、過去と現在の順序さえも怪しい。「脳って不思議」というだけではなく「時間って何だろう」という疑問や妄想が広がる。